51.瞑想する人事さん

 仕事探しのお話です。


リーマンショックが来る少し前、

急浮上して有名になったコンサルティング会社がありました。

営業はみんな年収1千万という噂とか

その会社の社長のありがたいお話の本とか、

会社所在地は都の都会の駅直結、賃貸料高そーー



今思えばセルフブランディング?ご自分たちで宣伝して有名になったのかな、と。

それにしても急激に認知度を高めていたと、私は思っています。



リーマンショックになってからも、

『この不況でも需要が高く支持されてーー』なんて記事が出てました。

だから不況の今も年収下がっていないよ、と。



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リーマンショックのさなかになると、

私は仕事を見つけるのが大変になりました。

えり好みしている場合ではない、えり好みしてるつもりなくても雇用されない。

派遣は募集枠1名に対して100人以上の応募が殺到するのが当たり前。



何か探さなきゃいけない…

派遣もハローワークも無理なら…と、各企業の公式サイトに求人が出てないかも探したりしていました。



で、求人出していたんですよ。

その、コンサルティング会社が。

契約社員で、

雑務(お茶、コピー、データ入力程度、電話応対)で、

時給は相当安かった。都心でこの値段は一人で暮らせないでしょうという程度。

…正社員は年収1千万らしいのにね。



会社の公式サイトにのってる求人なんて、

問合せても無視されたり、電話連絡すれば「はあ、アンタなんか雇うわけないでしょう」みたいな冷酷な返事をされることこの上ないこの不況の時期。

でも、このコンサルティング会社にはサイトから応募して、

職歴を添付して送ると同時に、面接日まで決まりました。



…事業を急拡大って、よく雑誌にも出てる会社だから、本当に募集しているんだな…

そう思って、面接決まったとあれば、会社について予習しないと!

このコンサルティング会社の公式HPをすみからすみまで読み始めると…

ブログがあったんですよ。

会社からのメッセージとしての発信が。

それがね…

読んでも何言ってるかわからない…



数字がいっぱい並んでいるわけではない。

専門用語が並んでいるわけではない。

でも、

何言ってるかわからない…

強いて言えば、哲学?

『そうだとするなら…〇〇ではないでしょうか』とか書いてても、

『そうだとする』の『そう』はどこ指してるの??

といった具合でした。


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いざ面接日。


〇〇駅直結のビルなんて…それだけで足が震えそうでした。


面接を受ける会社の入り口が近づくと、

…なんだか、ガヤガヤ騒がしい。

何かの反響音。

……鉄道が近いから?


いざ入り口に入ってしまうと、音は何なのかすぐわかりました。

受付のすぐ裏が会議室になっていて、

受付横の椅子に座っていると、聞き耳たてれば何言ってるかわかりそうなほどの大声…かつ強い口調が聞こえてきてました。

…会議じゃなくてバトルしてるのかしら。



オフィススペースから来たと思われる男性が現れて、

会議室に近づいて…まだ中で会議が行われているのに気がつくと、

「まだ終わってないの!?」

…と、これまた大声で、受付の女性にむかって怒鳴りました。

受付の女性、ハイ、スミマセン--と小声で恐縮していました。

そんなこと、受付の女性に文句言ってないで、

その持ち前の大声で、会議室に向かって「まだ終わってないの!?」て叫べばいいのにね。その大声ならきっと会議室の中に伝わるよ。





…働かない方が良さそうね、ここ。

と決めた頃、

やっと人事担当だという男性が現れました。



面接は会議室でも個室でもなくって、

受付エリアにあるソファ席でした。

通りがかった人からは面接やっているのが丸見えです。



人事の男性「何でウチで働きたいの?」「何が目的なの?」「何がしたいの?」「何がやりたいの?」「何の意味があるの?」


私(コピーとかさせるための人材で低時給で、それでそんな思考の高いこと❓を聞くのか)

きっと、派遣の面談とはちがうからしょーがないんだ…と辛抱しつつ

「前職がコレコレで、アレアレもやっていたことが活かせると思いまして」



…と、申している間、

人事さんは俯いて履歴書を見ているようで、ボールペンで手遊びしてるだけのようで、

なにせこっちの顔は一切みませんでした。



いろいろと、意地悪なんだかイケズなんだか、ただの珍質問なんだか、

何をどう答えろつうねん!?な問答が続きました。



20分くらい経ち、

人事の男性「なにか質問はありますか?」

とふってこられたので、


私「先ほど私に対し、『何がしたいの?』などとと聞いておられましたが、

では、人事の〇〇様は、この会社で何がしたいんですか?なにが目的なんですか?何の意味があるのでしょうか?」

と、やり返してみました。



すると人事の男性「なんだろうね…」

と、両手で頬杖ついて、両目つぶって、じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと、黙ってしまいました。

…瞑想? 後にしてくれんか。


辛抱して待っていると、

人事の男性、瞑想の姿勢のまま、「まあ僕は〇〇もしてるし、●●もしてるし、あとこの会社のブログ書いているしね」


私「…拝読しました」

…あの何言ってるかわからんブログ、アンタか。さもありなんだ。



人事の男性「あ、そうそう」とここでやっと顔をあげ、

「ウチの会社が何言ってるか説明してなかった。ウチは…」


私「そんなの知ってますよ」

と、遮ったら、人事の男性は「…」と黙ってしまいました。


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人事さんが会社説明をしようとするのを遮るような失礼なことをしたわけだから、

ぜったい不採用だろうと思っていたのですが、

なぜか、

「受付です」という女性から連絡がきて

なぜ受付から連絡がくる…?

「採用です」

だそうでしたが、

丁重にお断りしました。

人事さんにではないです。連絡をくれた受付の方にたいし、丁寧にお詫びとお断りを申し上げました。