#派遣の話
まだ自分が30代前半で、場面緘黙の症状が目立つこともあったころのこと。
仕事を探すために派遣会社に新規登録したりしてたのですが、
登録時の面談に出てこられたコーディネーターさん、
とてもよくしゃべる人でした。
よくしゃべる…
よくしゃべる…
でもね!
会話のキャッチボールは一切してないの。
私がなにか、会話の合間に言おうとしても、
ずっとご自分だけでしゃべって、
相槌うつ隙さえ与えようとしない。
なんなら、
一切こちらの顔を見ない…
そんな人でした。
翌日以降、
何件か、
仕事紹介の電話くれたんですよその人。
でも、なーんか、
イマイチ私の希望とずれている。
ずれている=諸条件により働けそうにない案件
なにせよくおしゃべりになる早口の人。
丸めこまれそうになるのを、場面緘黙ながら必死で断っていた。
それでもまたお電話くれたなあと思いきや
コーディネーターさん「アナタにピッタリのお仕事みつかりましたよーー!」
って言うんですが、
…ナンカ希望してない業界のやつ…
コーディネーターさん「ここね!就業から2か月たつと、時給が100円アップするんですよー」
…あぁぁ、スタッフが長続きシナイ会社ナンダネ 時給アップとかしないとすぐヤメルんだネ…
しかも、100円アップしたところで…私の希望時給よりも低いんですけど…
いやぁもーー場面緘黙で発話するのも大変なのにぃ。
疲れてきたよ。断るの。
時給の部分のほかは明確に「できない」理由をうちだせずで…
しかもコーディネーターさん「あなたのため」とか言うてるし…
流されて面談受けに行きました。
このおしゃべりコーディネーターさん、
人の希望とか聞くつもりないのかな、お会いした時も私と目を合わせてなかったしなあ。
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面談に出てきた企業のご担当者は、年配の男性でした。
年配の男性「営業アシスタントをお願いしたいんですけどね。営業は男性ばかりなのですが、毎日外出して、顧客にいろいろと言われてストレスをためています。
…だから、帰社すると八つ当たりで、あなたが怒鳴られたり暴言吐かれたりすることになるのですが、それでも優しくしてほしい」
私、面談だからと思ったのか、緊張してたからなのか、ニコニコ顔を維持しながら、
でも場面緘黙の症状が出そうで声震わせながら、
なんなら体ガタガタ震えながら、
「あっ、それはできませんね。…私はそういうの言い返しちゃうんで。…優しくとか絶対しませんね。」
…と、先方のほうから面談落としてもらえるよう仕向けたのですが…
どういうわけか面接官の年配の男性、
ウレシハズカシ…という顔ではにかみながら下を向いて、頬を赤らめながら嬉しそうにしていた…
…こっちの顔もみてなければ、聞いてもねぇな…
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面談が終わると派遣会社の営業さんと話すのですが、
私「今の面談聞いておられましたよね?私、先方の要求に答えられませんって言いましたよね?…この仕事はやりません」
って、言ったのに…
営業さん「あ、でもナントカでカントカで…」
「でもナントカで…」
「やってみませんか」
「じゃあ一ヶ月だけやってみませんか」
とか繰り返す。
もー、せっかく勇気出して断ってるのに、なんでこんなシツコイの…
営業さん「わかりました!じゃあ先方の結果だけはお聞きしていいですか!」
私(やらないって言ってるじゃん)
…やりとりにあまりに疲れさせられて、イイデスヨって言っちゃいました。
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翌日、
派遣会社の営業さんから電話がきて
「見事!合格です!」
だって。
私「…やらないって言いましたよね。」
営業さん「でもナントカでカントカで、一ヶ月だけやってみませんか!」
私「やらないって言いましたよね」
…この時も問答も長かった…体感1時間ぐらい粘られた気がします。
営業さん「…わかりました。僕が働きに行くわけじゃないんで、これ以上は言わないです」
って、営業さんがやっと言ったときはホッとしました。
…その後、この派遣会社からは一切連絡来なくなりました。応募もしてないけど。
リーマンショックのような不況もあったからか、
この派遣会社は何度か名前がかわり、
さらにまた変わり…
跡形残っているのかな…よくわかりません。
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ところで、
「怒鳴られたり暴言吐かれても優しくしてほしい」…と、言った会社の親会社は今。
営業の不正問題でニュースにあがり、社長は辞任し、業務停止命令を受けたりしている最中です。