32.同じ仕事しててもAちゃんのほうがダントツ人気だった

 #派遣の話


同じ部署で、2人体制で2人とも同じ仕事をする派遣が雇われていて。

私のほうが先輩、Bちゃんが入ってきたばかりの後輩(といっても年上)で。

Bちゃん「私は綺麗好きで神経質で几帳面で…ちょっとでも部屋が汚れるのが嫌だ。結婚していたころは旦那に部屋を汚されたのが嫌で、夜中に一人で泣きながら掃除していた」

とは本人談。


ちょっと古い話なので、派遣先オフィスは紙だらけでした。

コピーも尋常じゃない量でした。

印刷があればファイリングしてストックされる数も多いです。

そんなに几帳面ならば、このごちゃついた棚が見たこともないほどキレイに整えられるでは?

…とひそかに期待してました。




ところが逆で。

ファイルには4月、5月、6月…とタイトルがついているけれど、

Bちゃんは順番バラバラに棚に押しこんでいたし、

あっちのファイルは前にとび出して、こっちのファイルは引っ込みすぎてても、

意に介さない様子でした。



…本人評価よりも雑くて、無頓着。



Bちゃんとはいくつか衝突がありました。

・電話をとらない

・今日中に完了しないといけない自分のタスクを放置して、手伝うという名のもとに他の人たちが楽しそうにやっている仕事に参加する

・「私は子持ちというだけで、社会にどれだけイジメられたか!」という長文メールを社内一斉配信する

こういうのの教育?を派遣の私がしなくてはいけなかった。




まぁ、その会社では自分も一度、社内一斉送信やったことあるんだけどさ。

朝来たら、勝手に私のデスクに届いたFAX山積みしてんだぜ?

私宛のなんてあるわけない、全部社員あて。

配れって?

社員はみんな9時前からきてて、私は10時出社。

FAXて急ぎだからFAXなんでしょ、そんなに配るの遅れていいわけ?

…で、

もちろんFAXはきっかけにすぎなくて、

つもりつもったモラハラパワハラが爆発した感じだった。

…そんなアタシでもBちゃんの「私は社会でイジメられた」メールは理解できなかった。




自分が辞めるとき、

Bちゃんに困ってることも、社員からの私への態度のことも、上司に文句を言った。

そして「派遣は派遣で社内の小間使いとは違うのでは」というようなこと。

そしたら上司「何よ!仕事与えてやったのに!アンタなんかね!事務経験少ないよね以前はマスコミ?そんなだからやっぱり要領悪いって言うの!?はたから見てて仕事遅いよね!もっとこうすればいいのになーって思うこといっぱいあったわよ!」

と、キレられた。

例えば

当日午後に依頼され、製本コピーホチキス止めアリ、束ねて30箱梱包、今日中絶対発送、

それで「コピーが遅い」とか言われても…機械だってこれ以上早くならないし。途中紙詰まりだってトナー交換だって、ホチキスの針だって…

さらに当日になって50人分の弁当とお茶買って来い一人で、って言われても…

そりゃあ、無茶があるんだけどな、こっちからすれば。

「事前予約とかさせてもらえないですか」って聞いたら社員さんたちすごくムスっとして却下された。急な大量買いは弁当屋もいい迷惑だよね。


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実は、Bちゃんの前にはAちゃんがいた。


Aちゃんも私のあとからきたので、私の後輩になる。

仕事が遅いとされる私を見かねたからでなく、大型案件受注によりもう一人派遣を雇うことにしたらしかったです。



私が来た⇒Aちゃんが加わった⇒Aちゃん辞めた⇒Bちゃんが来た⇒私が辞めた

の、うち、ここからは、

Aちゃんと働いていた時の話。




Aちゃんに業務を教えていたのは私でした。

これがどういう意味があるかとか、このほうがみんなにわかりやすい整頓になるよ、とか。

メールの即返信がしたほうがいいのはどれか、とか。

会社のエライ人順とかね。



…数か月たったころのAちゃん、

「メールはすぐに返信したほうがいいですよ!私はそうしてます!」

って、すっかり自分の手柄にしていたわ。

なんなんだかな。

Aちゃんの中で自分のほうができる社員、私はダメな社員になっていた。

なんだよExcelワカラナイって焦ってトリプルクリックしてたくせにーw



Aちゃんは営業部内でとにかく人気があった。総務にも人気があった。

そりゃまあ、場面緘黙症と軽くドモリ吃音がある私よりはいいよねぇ。

って、それだけじゃない、Aちゃんは人気があった。

カワイイとか声が高めとか、

何より、働き姿?立ち居振る舞いというべき?

小柄で、

パタパタパタて小走りで動き回る姿が、 

良く働いてくれる子という印象を受けた。

私にもそう見えた。



みんなAちゃんに仕事依頼したがるようになった。

私じゃ嫌なんだって。

遅いし文句言うんだって。



Aちゃんの机には裏紙入れ専用の引き出しがあった。

大量のコピーがあればミスコピーや紙づまった紙もある。

Aちゃん「そういうのをストックして、カットして、メモ用紙にするんです」

これについても、営業部からは「なんて気の利く子なんだ!」と好評を得ていた。

…にしても、メモ用紙にリサイクルして循環させてるわりには、引き出しの中裏紙多すぎではなかろうか、とひねくれた目で見ていた私

パカパカガラケー時代とはいえ、ホント紙が多かったな…



総務の派遣の人「Aちゃんあの子は会話が上手いんだよ。こっちまで聞こえてくるけど、上手いなーって思うよ。」

…同じこと、私が言ったら「何よ‼仕事与えてやってるのに」て絶対言われると思うー




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Aちゃんが辞め、

Bちゃんとの衝突の後、

私が辞めることを経理に挨拶に行ったらば…


経理さん「…あのさ!辞める前に、Bちゃんに言っといてくれない? コピー室汚いからきちんと片付けろって!」


私「え!そうだったんですか」


経理さん「汚いよ!なにもかも。作業台散らかしぱなしだし。コピー機本体だって上のフタ閉じないしぃ…何もかも。」

「コピー室使うのって、派遣のアンタたちと私たち経理だけじゃん。で、アンタたちが大量コピーする合間を縫って、こそっとコピーしてすぐ帰るようにしているんだけどさ…」

「Bちゃん使ったあとはいっつも汚いの!だから経理の私たちが片付けて…それからやっとコピーしているの!」


私「わたしは…?」


経理さん「アンタは普通。…アンタの前任にものすっごく綺麗に整えてる人いたから。だからアンタは普通。」


私「はあ…。Bちゃん自身は綺麗好きと聞いていたもんだからそこ気にしませんでした。そんな汚かったとは…」


経理さん(複数人声揃えて)「でも一番汚かったのはAだよね


私「へっ」

…いま、Aちゃんじゃなくて、A!って呼び捨てました?





経理さん「Aの散らかし方はもう…作業台の上に裁断に使った道具は置きっぱなし、取り出した備品は置きっぱなし、ホチキスの芯落ちてる、くしゃくしゃで破れた紙は置きっぱなし…!ぜったいシュレッダー使ってないよね。とにかく汚いよ。」

「目に余るから、営業の上司に苦情申したことあるの!なのにちっとも直らなかったの!きっと言わなかったんじゃないかしら。」

「だからBちゃんのことも営業社員に言っても無駄だろうから、同僚派遣のあなたから注意してくれない?」


私「は、…はいぃ…」


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うわぁぁぁぁぁぁぁ

コピーとったあととか製本や梱包したあと、

片付けてなかったとか…

そ、そりゃあその分私より仕事早く終わるんでないだろうか。。


てか、

社会人のマナー…



Aちゃんて、待遇も良い正社員の仕事見つけて辞めたんです。

みんなに惜しまれて、お祝いされて。



一方的にAちゃんは良い子になっていたけれど、

さて、

私が非難された、

要領が悪いだの、遅いだ、のはどこまで正当な評価だったんだろう。