#高校の時の話
私は公立高校の出身ですが、2年、3年がクラス変わらず、担任の先生も一緒でした。
他校から転任してきたばかりの男の先生でしたが、
好き嫌いはわかれました。
チャラく見える。
なんか信用できない。
乱暴かも。
そんな印象が先行する先生で、
ケンカのようなもめごとがあると、押しつけられるタイプでした。
実際、高校の時は不良だったらしいんですけどね。本人が言ってました。
でも、先生になってからのチャラい印象はあくまで外面で、
一番きちんとした人で、几帳面だったかもしれません。
…よくわからない前例や決まりの言いなりにはならなかったというだけで、
臨機応変さやTPOはわきまえておられました。
卒業式前日、
先生「みんな、服はおりまげたりいじってたら元に戻せ。髪の毛は『これはパーマでなく天パです!』というくらいなら始めっからしっかり三つ編みしてしまえ。ここ一番だ」と言い、
卒業証書をクラス代表で誰か一人受取りに行く役を指名されたのは、学級委員ではなくて『高校3年間皆勤賞』だった生徒でした。
…それ以外にも、
何か、上手だったんですよね。。。間違いを訂正するのとか。
例えば、名前の読みをずっと間違われてる生徒がいたりとか、
なんらかの事情がある人をうまくクラスの前で知らせるようにしてました。
(教壇に立って『あのねえ』とかではなく、さらっと、どこかのタイミングで言うのが上手かった)
思い返すほど、
若かったこっちが未熟であっただけで、先生がかなりの常識人で教師としての姿勢もたいへん良かったのだと思います。
…教師としての対応は立派だったのではないか、と思います。
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先生の担当は美術で、
本人のホントの顔は芸術家で彫刻家でした。
在学中に絵やら立体作品やらが優秀だった生徒が、先生の弟子になったり、
同じ会の会員になったりしていました。
私は…といえば、
浪人したので、進学にかかわることで、先生に相談をすることがありました。
先生の弟子になったクラスメートとも個人的に連絡することがあったのですが、
クラスメート「私、そろそろついていけないかも」
と言い出しました。
先生は、彫刻家ですので、
なんらかの展覧会があれば自身で作品を搬入しています。
ある時、行政主催の展覧会に搬入しにいくと、
もう作品を置くための棚はいっぱいになっていて、
置く場所がなかったんですって。
先生「あれ、置く場所がないなあ」とアピールすると、
行政の人「あ、もうそのへんに置いといてくださーーーーい」
それを聞いて先生
「ここにある他の作品を全部床におろせ!」
って怒鳴りだしたんだそうで。
そのへんに置いとけ…がもう大変に失礼だと思うし、怒るのもわかるんだけど…
クラスメート「自分の作品にはこだわりあるし、芸術家としてもプライドがめちゃくちゃ高いんだけど、…他人にリスペクトがないんだよね。他の人の作品は床においてもいいの?
アノ人、他人のことはどうでもいいと思っている。 」
私は、私で。
先生に小間使い扱いされたのをきっかけにかかわらなくなりました。
(先生自身の口からきいたけど、学生時代に不良だったらしい。高校時代に不良の先輩の小間使いやってた、と)
…ちょうど、不良が下に見てる子分をこき使う、みたいなことされて…
私がお人よしなのを利用して、
何で私が交通費負担して、時間浪費して、お前がやらないかんことをやらなアカンねん!?
って思ったから。
もちろん、
先生からも以後連絡はなかった。
…というか、もう2度と関わらなくてもいいどうでもいい相手だったんだろうな、私は。
クラスメートも師を変えたようでした。
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先生の親も芸術家でした。
もとい、有名な芸術家でした。
先生は「名乗るたびに『ああ!あの有名な人の息子さんね!知ってるよ!』
と言われるのが大変つらかったしくやしかった。」
「誰それの息子ではなくて、自分が認められるようになりたかったから!」
と、父親と同じ芸術大学に入ろうと、4浪したそうでした。
…が、4年目で諦めて、別の芸大に入ったそうでした。
と、いうのは高校在学中から聞かされていました。
だからみんな受験頑張れ!って言いたかったんでしょうね。
父親なんか放っておけばいいのに。
ていうか、あなたのお父さんてそんな有名?芸術に詳しい人の間の狭い世界で有名なだけでしょ。
父親と同じ学校に入るとか、それが何の意味ある??
とは、
もちろん誰も言いませんでした。言えませんでした。
ただ、
4浪しても志望校に入れなかったのは、ずっと悔いが残るんだろうな…
と。
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ここ数年で、先生のことを思い出すきっかけがありました。
ネットの記事で、
『映画〇〇〇に芸術家の----先生の作品が登場します』
と、まさしく高校の時の担任の先生の名があげられていました。
先生の名前でぐぐってみました。
先生本人のサイトがすぐ見つかりました。顔写真も載っていたのですぐわかりました。
映画に登場する作品は同姓同名ではなくやはり先生のことでした。
先生のサイトにもきちんと「映画に作品がでます」と書いてありました。
サイトのプロフィールと経歴をクリックしました。
『どこかの大学で教鞭をとりながら…』
とは書いていたけど、
私の卒業校にいたことも、その前に勤務していた高校のこともなく、
高校の教員であったことは一切かかれていませんでした。