19.当人がクリアできたならそれでいいじゃないか

 #子供の頃の話


うんと遡って、小学校1年の時の話。


私が小1のとき「しゃべれない子」でした。

まだ場面緘黙という言葉は生まれていなかったので、

「しゃべれない子」でした。



しゃべれないのは自分だけではありませんでした。

男子生徒にも一人、誰とも喋れない子がいました。



私の場合、

授業で当てられて、国語の本読みとか…当てられたら立たされて音読、が出来ました。…なんとか、かろうじてですが。



男子生徒の場合、当てられて立つまでは出来ても、一言も発することが出来ませんでした。

…毎回そうでした。

それでも担任の先生は当てるし、声を出すまで何分でも待とうとします。

いつもなら、先生側が折れて男子生徒を着席させるのですが、

その日に限って、

担任「じゃ、となりのナラコさんと一緒に音読しようか!」

って、よりによって隣にいたの私だよ!

(私だってしゃべれないのに!)

って叫びたいけど叫べるわけもない。

喋れない男子生徒、一緒に立たされた時の先生とクラスの圧のような空気感。。。

私も委縮して体が固まって…一切声が出なくなりました。




何分立ちっぱなしだったかわからないけど、

周囲から「もう!早く!」「早くぅ!」と急かされだしました。

それでも私は震えて何も出来ませんでした。



先に話だしたのは、もともと担任に当てられていた男子生徒のほうでした、

ボソボソ…だけど、国語の本を読み上げました。



担任の先生「〇〇くん!よくできたねーーーー!」と高い声でちやほや褒め、

直後急に声色が変わり、「ナラコの声は全然聞こえなかったよ!」と低い声で責められました。

当時の小1なんて先生が言えばそれに倣いますからね。「そうだ!そうだ!聞こえなかった!〇〇君の方が声大きかった!」って、クラスメートが先生の援護射撃を始めました。




(そもそも当てられたのは〇〇君のほうなんだから、〇〇君が一人で喋れたのならもうそれでいいじゃないの。なんで私が怒られるの…)

って、着席してから涙が出てずっとこすってました。


クラスの誰か「せんせーい!ナラコ泣いてるぅ」


担任の先生「ぁあ!? (嫌そうな顔を向けて)もぉぉ…」





そんな昔のこと、よく覚えてるね!ってよく言われるけども、

いつまでも覚えていられるほど深く傷ついています。