16.男の約束。とか言う約束は、私はしていない。

 #派遣の話


私が派遣で働こうと登録し始めたときは、

ExcelWordどころか、入力もキーボード睨みつけながら、ひとつひとつ押してたようなくらいですので、

派遣会社「紹介できる仕事はありません。」と、登録自体断られるか、

登録はさせてもらえても

派遣会社「テレマだったら…」

とよく言われてました。



テレマ…って今では言わなくなったんじゃないでしょうか。

電話ばっかりかける仕事、電話ばっかり受け続ける仕事、はすべて「テレマ」と呼ばれていました。

ネットが普及する前は、

かたっぱしから架電して、契約獲得する仕事がたくさんありました。



私は正社員で働いた時に、電話をとるのは1日あたり100件越え…なんて日常だったので、電話自体は実務経験があることになります。

ただ、これまでの記事にも書いていますが、男性優位社会で女と言うだけで怒鳴られるモラハラされることも含むので、ただ受発注、ただ納期確認、ではすまなかったのです。

しかもドモリで場面緘黙症です。

なので、

私「電話はもうイヤなので。テレマだったら紹介いただかなくて結構です」

と伝えてました。



それでも、テレアポ紹介がかかってくることはありました。

派遣会社「比較的お家の近くだからどうですか?ノルマないんですよ!」

「新しく始める会社だから備品もあたらしいし、ルール作りもこれからだし!」

「でも、この会社。お茶とかトイレ掃除とかはしてもらわないといけなくて」



私「清掃業者が入らない会社で就業したことありますよ。だからお茶出しもトイレ掃除も自分たちでやっていましたし。自分らが使うのを自分たちで掃除するのは当たり前でした」

と、伝えて、やる気があるようにアピールするとなぜか、



派遣会社「……。」

しばらく沈黙がつづきました。



私「え?」


派遣会社「この会社お茶出しもしてもらいます。トイレ掃除もしてもらいます。」


私「え?だから、小さい会社ならあることですよね?」


派遣会社「……」


私「??」


当時のコーディネーターさんの沈黙が何なのか、さっぱりわかりませんでした。

…断って欲しかったのかな?



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就業初日の待ち合わせ。


男性の担当営業のおじさん、

目の前でタバコを吸いながら「俺はあの会社の社長と友達なんだよ。紹介するって約束したんだ。男の約束だからね。」



私(…? 派遣会社は依頼されたら労働力を紹介するのが仕事なんだから、男の約束かどうかはかんけーないんじゃなかろか?)



この時は、派遣スタッフ3人まとめて雇われました。

全員、社会人経験はすでにあるけども派遣で働くのは初めて

というメンバーでした。

派遣法とか、派遣てどういう働き方かとか、何が断れるかとか、まだよくわかっていないメンバーの集まりでした。




…就業から2か月くらいたったとき、

派遣先の社長「時給同額のままで、アルバイトに変えませんか?」

時給が同じなら…とみんなアルバイトに変えました。



その時点で社会保険に入れなくなりました(当時のバイトは社会保険加入がない)。



派遣契約時はオフィス内でテレアポだったけど、

なにか違う仕事を社長が仕入れてきて

社長「駅前でパンフレット配るから!」

と、全員連れていかれました。



私はもともと人前で声出せないタイプです。小さい声であったとしても発せられなかった人です。電話ならなんとか…まできていたけれど、

駅前でチラシ配りとか…もう、無理です。

「苦手なんですけど…」て言ったような気はしますが、連れていかれました。

派遣のままだったら契約にないって断れたんですけどね。



社長「オマエだけ配れてる数が少ない! あと一つ!あと一つでいいから配れ!みんな見ててやるから!」

と、他のメンバーだってまだ在庫抱えてるのに、社長はじめみんなでニヤニヤ私が配れなくておどおどするのを見ていました。




テレアポだって、いきなり人様の家にかけるわけで、

怒鳴られることもあるわけで。

社内はパソコンなんてなくて、

契約とったのは全部手書きの申込用紙へ。




社長「字が汚い!読めない!!」

ということと、いかにお前らは使えないか怒るけど、

「1時間100件はかけれるだろう!」とか、

「1時間当たり最低でも10件!20件は契約とれるはずだ!」

って圧があって、

いっそいで次に進まないといけないなかで、

キレイな文字がかけるわけありません。

電話だってインカムないですよ。普通の固定電話。片手受話器でふさがってる状態で書く文字…




いろいろ無理になって、

一度は手を震わせて泣いたりしまして、辞めました。


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何かしらの書類持参のために職場へ行くと、

他にも、社長が直接アルバイトで雇った人たちがごっそりと辞めていました。

社長「会社の入り口に、手紙貼り付けて「辞めます」って書いてて、それで来なくなった奴いるんだぜ。あまりにも失礼なんだよ」



…さらに後日。

なんの用のためだったか忘れましたが、

社長の携帯に電話しました。

社長からは仕事用と、私用と、2つ番号を聞いていたのですが、

どちらに架けても、どちらとも

『この番号は現在使われておりません』

と機械音声が流れるだけでした。